中国国務院筋によると、ロシアは北朝鮮へのエネルギー支援を本格化する計画を決定、すでに北当局とも基本合意に達した。エネルギー供給の大半を担ってきた「中国の負担が多少でも減るのは歓迎できる」が、これまで「口先だけで北に介入していたロシアが、資源高騰で得た経済力を背景に、半島への影響力を強化しようとしているのは明白」で、中国にとっては“痛し痒し”だという。ロシアの巻き返しが、北の核開発をめぐる六カ国協議を「さらに複雑化させる」と身構えている。 中国の関係機関が確認したところでは、ロシアからの原油供給再開と、北に新たな原子力発電所を共同建設するプロジェクトの始動――が柱だという。ロシア大統領府は五月三十日、国連安保理の制裁決議に基づき北に対する武器・軍用機材や贅沢品の輸出を禁止すると発表し国際社会にアピールしてみせたが、「決議が縛る分野の輸出はすでに途絶えており、実質的な効果はない」(中国国務院筋)。 一方で、当面、六カ国協議の最大の障害であるマカオの金融機関バンコ・デルタ・アジアの北朝鮮資金返還問題に関しても最近、「ロシアの金融機関を経由して送金する可能性を検討する用意」(ロシュコフ外務次官)を打ち出すなど、「半島に対する野心を隠そうともしなくなった」と中国は見る。ロシアはすでに、北と協力して図們江(朝鮮名は豆満江)河口に港を建設することでも合意した。

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