二〇〇三年十一月末に経営破綻して一時国有化された足利銀行の受け皿選定問題で、最有力と見られているのは「地銀連合」。横浜銀、千葉銀、常陽銀など関東地区の地銀上位八行を中心に、日本生命や東京海上日動などの機関投資家やファンド十数社も参加して持株会社を設立し、国が保有する足利銀株を譲り受ける計画だ。だが、このグループの中で深刻な内紛が起こっているのだという。 原因は、足利銀が「横浜銀とほくほくフィナンシャルグループ(北陸銀と北海道銀で構成)がNTTデータと組んで行なっているシステム共同化に参加する方針を打ち出したため」(大手地銀幹部)。システムの共有化は系列化に等しい。つまり「足利銀は事実上、横浜銀の傘下に入ることになる。関東地区の地銀が協力して受け皿になるのに、横浜銀のいいとこ取りとは許しがたい」(別の大手地銀幹部)。 地銀連合の内部では、当初から足利銀の受け皿に積極的な横浜銀と「同じ地銀としてのお付き合い」程度に考えている消極的な銀行との間に温度差があり、度々、内紛が伝えられている。しかし、今回の内紛は、地銀連合の崩壊につながりかねない。この難局を全国地方銀行協会(地銀協)会長行でもある横浜銀がどう乗り切っていくか見ものだ。

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