歴史的な原油安や旅客数の順調な伸びに加え、利益なき値引き競争からの脱却が進んだインド航空業界が息を吹き返しつつある。収益が大きく改善した各社は、増便や新路線就航、航空機の追加調達など、再び攻勢に転じている。

 

原油下落の「神風」

 2015年通年の国内線旅客数は、約8109.1万人で、前年比20.3%の大幅増を記録した。これは、リーマン・ショックなどの影響で旅客数が前年割れとなった2008年度のほぼ2倍だ。各社の経営努力もあって、2015年通年の平均搭乗率は84.8%と、2006年に比べて20ポイント近く上昇した。

 だが、採算性向上に最も寄与したのは国際原油価格の急落だ。2015年1年間で、インドが購入する平均の原油価格が前年比約35%下落し、運航コストの半分近くを占める燃料費の大幅圧縮につながった。

 2006年の就航以来、迅速なサービスと高い定時運航率を売りものに急成長した国内線首位の格安航空会社(LCC)「インディゴ」(運航会社名は「インターグローブ・アビエーション」)は、1月下旬に発表した2015年10~12月期決算で、約65.7億ルピー(約117億円、前年同期比23.7%増)の純利益を計上した。同社の2015年通年の国内線旅客数は約2970万人で、シェアは36.7%に達した。

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