伏線があったトランプ「選対本部長」更迭

執筆者:足立正彦2016年6月27日

 約2カ月前、共和党大統領候補指名獲得争いが激しく展開される中、決着は7月18日からオハイオ州クリーブランドで開催される全国党大会に持ち込まれると見られていた。しかし、実業家兼テレビパーソナリティのドナルド・トランプ氏は、4月19日の地元ニューヨーク州予備選挙、4月26日のペンシルベニア州やメリーランド州、コネティカット州など北東部5州の予備選挙、そして5月3日の中西部インディアナ州予備選挙でそれぞれ圧勝。その結果、指名獲得争いに残っていたテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)、ジョン・ケーシック・オハイオ州知事の2人は撤退を余儀なくされ、トランプ氏が事実上、候補指名を確実にした。

 実際、トランプ氏は指名獲得に必要な全代議員の半数1237名を200人以上も上回る1447名の代議員を獲得しており、全国党大会で大統領候補の指名を正式に受諾することになる(『ニューヨーク・タイムズ』紙参照)。

 そして、民主党の候補指名を確実にしているヒラリー・クリントン元国務長官との直接対決は、両候補がお互いに対する批判を強めるなどすでに白熱しつつある。

 

女性記者暴行事件でも擁護

 トランプ氏はちょうど1年前の2015年6月にニューヨークで出馬表明を行ったが、振り返るとあっという間の1年であった。そのトランプ氏の選対本部に、全国党大会まで1カ月足らずとなった6月20日、衝撃が走った。トランプ氏の選挙キャンペーンを今まで支えてきたコーリー・レワンドウスキー選対本部長が、突然辞任することが発表されたのである。トランプ氏がレワンドウスキー氏を事実上更迭したと見られている。

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