首脳会談も行ったが…(C)AFP=時事

 

 イタリア・シチリア島の保養地、タオルミーナ。ローマ帝国時代の遺跡の宝庫というべき、人口1万人あまりのこの街が、今年の主要7カ国首脳会議(G7サミット)の舞台になった。暴れん坊のトランプ米大統領が乗り込むことで、ちゃぶ台返しが起きるのではないか。そんな懸念がささやかれたが、米国と欧州の首脳はすんでのところで踏みとどまった。

1年前とは大違い

 今さらG7サミットという気もするが、年後半の国際政治と世界経済の方向を占ううえでは大切なので、ちょいとおさらいしておこう。まずは5月27日に発表された首脳宣言から。パラグラフ12は、北朝鮮を名指ししてこういう。

「北朝鮮は、国際的な課題における最優先事項(a top priority in the international agenda)であり、度重なる、また、現在進行中の国際法違反を通じて、国際の平和及び安定並びに不拡散体制に対しなお、一層、重大な性質を有する新たな段階の脅威(new levels of threat)となっている」。こう述べて、北朝鮮に核・ミサイル計画の「完全な、検証可能な、かつ、不可逆的な方法で放棄」を求めている。核実験と弾道ミサイルの発射に対しても「最も強い言葉で(in the strongest terms)非難」する。北朝鮮による日本人拉致問題についても「即時解決」を要求している。

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