スーダン南部で展開中の国連平和維持活動(PKO)に続いて、アフガニスタンへも自衛隊派遣問題が浮上した。防衛省幹部は「アフガンへの陸上自衛隊派遣が取り沙汰されるのはテロ特別措置法による補給艦のインド洋派遣以来のこと。当時、できないと結論づけた話を今なぜ進めるのか」と、自衛隊派遣で外交のポイントを稼ぎたい外務省に冷やかな目を向ける。 政府は六月八日、自衛隊制服組を含む政府調査団をアフガンに派遣したが、防衛省幹部は「北海道洞爺湖サミットで自衛隊派遣をアピールしたい官邸と外務省が防衛省抜きで調査団派遣を決めた。防衛省は後手に回っている」と舞台裏を明かす。 米英軍によるアフガン攻撃後、現地の治安情勢は悪化する一方だ。前出の防衛省幹部は「今年一月、補給艦をインド洋に再派遣した根拠法の補給支援特別措置法は活動を洋上補給に限定しており、アフガニスタンへの自衛隊派遣は認めていない。派遣には新法が必要になるが、ねじれ国会が続く限り、成立はまず無理」とみる。 結局、高い確率で実現しそうなのは、スーダンPKOの司令部に数人の自衛隊幹部を派遣することぐらいだ。

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