中国・北京で、金日成主席(右)を歓迎する毛沢東主席。「血盟」の時代だった (C)AFP=時事

 

 トランプ米大統領のアジア歴訪でも、最大の焦点になった北朝鮮問題。日中や米中の首脳会談ではさらなる圧力強化で一致したが、解決の糸口はまだ見えてこない。米国は空母3隻を日本海に展開し、北朝鮮にプレッシャーをかけるが、金正恩(キム・ジョンウン)政権はさらなる核・ミサイルの実験準備も進めるとの動向も伝わってくる。関係国で一致するのは中国の出方が鍵となるということだが、肝心の中国の対北朝鮮の態度は、いまひとつわかりづらい。歴代の指導者は北朝鮮のことをどう扱い、習近平国家主席はどう考えているのか――。

 有力な中朝関係研究者であり、著書『最後の「天朝」 毛沢東・金日成時代の中国と北朝鮮』(朱建栄訳、岩波書店、上下巻、2016年)でこのほど「アジア太平洋賞」(毎日新聞社主催)の大賞を受賞した沈志華・華東師範大学終身教授に東京で話を聞いた。

 沈氏は1950年生まれ。実業家から研究者に転じた。中国人民大学や香港中文大学で客員研究員を経て、2005年から華東師範大学の終身教授。2016年には同大学の冷戦国際史研究センター所長に就任した。

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