「大連立」に動くシュタインマイアー大統領を現地紙も盛んに報じている(『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』HPより)

 

 頓挫したドイツの連立交渉が、新たな展開を見せ始めた。

 11月24日、「社会民主党(SPD)」のマルティン・シュルツ党首が、「キリスト教民主社会同盟(CDU/CSU)」との連立協議に応じる旨を表明した。ただし、シュルツ党首はすべてのオプションが可能とし、アンゲラ・メルケル首相による少数与党政権の可能性も残しつつ、いずれにせよ最終決定は、SPD党員に委ねられるとした。

 SPDの方針転換の裏にはフランク=ヴァルター・シュタインマイアー大統領(元々SPDだが、大統領職の間は党籍離脱)による働きかけがあった。大統領とシュルツ党首は23日、1時間余りにわたって協議し、そこで大統領がシュルツ党首に方針転換を強く迫った。大統領は連立不成立の場合の再選挙を回避したいとの立場であり、CDU/CSUとSPDによる再度の大連立に前向きとされる。シュルツ党首はその後、24日早朝までの8時間に及ぶSPD幹部との協議を経て、冒頭の声明を表明するに至った。

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