歴史の運命に翻弄されるアルメニア青年のミカエル(右)とアナ(『THE PROMISE/君への誓い』より)(C)2016 THE PROMISE PRODUCCIONES AIE-SURVIVAL PICTURES,LLC.ALL Right Reserved.

 

 ジェノサイドという言葉でまず思い出すのは、第2次世界大戦前から戦中にかけての、ナチス・ドイツによるユダヤ人の虐殺だろう。

 だが、第1次世界大戦中にもその犠牲者数が150万人という大虐殺が行われていたことはあまり広く知られていない。オスマン帝国(現・トルコ)によるアルメニア人虐殺である。

 このアルメニア人迫害を背景にした映画『THE PROMISE/君への誓い』(配給:ショウゲート)が2月3日から全国公開される(新宿バルト9ほか)。医師を目指して首都イスタンブールにやってきたアルメニア人の青年、パリ留学経験のあるアルメニア人女性とその恋人であるアメリカ人ジャーナリストが歴史に翻弄されるさまを描いた意欲作だ。

 監督は、イギリス・北アイルランド出身のテリー・ジョージ(64)。1996年に『Some Mother's Son』でデビューし、1994年にルワンダで発生した虐殺事件を描いた『ホテル・ルワンダ』(2004)は、アカデミー賞で3部門にノミネートされるなど高い評価を得ている。

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