金与正氏(左)が文在寅大統領(右)に手渡したのは、金正恩党委員長の親書だった (C)EPA=時事

 

 開会式が行われた2月9日、マイク・ペンス米副大統領はソウル南方の平沢市にある韓国海軍第2艦隊司令部を訪問した。ここで脱北者4人と面会し、北朝鮮を「自国の市民を閉じ込め、拷問し、飢えさせる政権」「北朝鮮は監獄国家と同じだ」と述べた。北朝鮮で拘束されて釈放された直後に亡くなったオットー・ワームビア氏の父親もこれに同行した。

 さらに、2010年に韓国海軍の兵士46人が死亡・行方不明になった天安艦沈没事件の記念館を訪問した。韓国政府は、この事件は北朝鮮の犯行としている。

公開の場の米朝接触を避ける副大統領

 同日夕には文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領主催のレセプションが開かれたが、ペンス副大統領と安倍晋三首相は遅刻し、開始時間には到着しなかった。文大統領は午後6時11分まで待ったが、2人が来ないので仕方なく会場内に入って挨拶をした。ちょうどその頃2人が到着し、記念写真を撮ろうとしていた。文大統領は迎えに出て2人と記念写真を撮り、会場内に案内した。しかしペンス副大統領は、VIPテーブルの何人かと握手を交わし挨拶をしただけで、約5分で会場を出てしまった。ペンス副大統領は北朝鮮の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長と挨拶などを交わすことを避けたのだった。

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