巨匠マネを虜にした「ベラスケス」の「リアリズム」と「革新性」
2018年3月25日
フランス絵画の巨匠エドゥアール・マネ(1832~1883年)をして、「画家の中の画家」「彼は私を驚かせたのではなく、私を虜にした」とまで言わしめたディエゴ・ベラスケス(1599~1660年)。そのベラスケスの傑作7点が、現在、国立西洋美術館で開催中の「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」で公開されている。
1819年、スペイン王家のコレクションを中心とする「王立絵画美術館」として設立された「プラド美術館」は、ティツィアーノ・ヴェチェッリオ、ペーテル・パウル・ルーベンス、エル・グレコ、フランシスコ・デ・ゴヤなど絵画史に大きく名を残す巨匠たちの作品を所蔵しているが、とりわけベラスケスはスペイン帝国の栄光を象徴する存在として特別な地位を得ている。現存するベラスケス作品は約120点と多くはなく、プラド美術館はそのうちの約4割を所有。その貴重さから、同館が貸し出すベラスケスの作品数は1度に7点までとされているという。今展の監修を務める国立西洋美術館の川瀬佑介主任研究員が解説する。
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