米国はこのほど、ベネズエラのチャベス政権がレバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラを支援していると非難したが、ヒズボラに直接資金を提供しているのはベネズエラ在住の政商との見方が強まっている。 ベネズエラの首都カラカスの消息筋によれば、この政商は中東生れの実業家ファウジ・カナン氏で、カラカスで旅行・観光業を手広く営む一方で、武器取引にも従事しており、ベネズエラとロシアの大型兵器売買契約にもアドバイザーとして関与しているという。 カラカスの米国大使館筋は「カナン氏は、少なくともここ数年、徹底した反米姿勢で知られるチャベス大統領に資金を提供する代わりにさまざまなビジネス利権を獲得した」と述べる。 米財務省は先に、チャベス政権とヒズボラを結びつけた人物として、ファウジ・カナン氏とともに、ベネズエラの外交官ガジ・ナスル・アルディン氏を告発。二人の米国内の資産凍結や米国人との商行為を禁止する措置をとった。 アルディン氏は駐シリア代理大使を務めたことがある上、在レバノンのベネズエラ大使館に勤務した経験もある。中東在任中からカナン氏と親しかったという。

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