米国で、サブプライムローン(信用力の低い個人向け住宅融資)問題に続き、政府系住宅金融公社(フレディマックとファニーメイの二社)の経営危機が表面化した。金融システム不安が再燃した格好だが、世界の金融関係者は米国の抱え込む「第三の爆弾」の恐怖に震えおののいている。 それは、州ごとに根を張る地方銀行の連鎖的な経営破綻の懸念だ。七月中旬にカリフォルニア州のインディマック・バンコープが破綻したのに続き、八月にはフロリダ州のファースト・プライオリティー・バンクが業務停止に追い込まれた。その他にも、金融市場の混乱の余波で経営が傾いている地銀は多いとされる。 地銀の連鎖破綻が現実のものとなれば、地域経済と庶民の生活が甚大な被害を受けるのはもちろん、金融システム不安を通じて米国のみならず「世界経済への影響も避けられない」(国際金融筋)。 そうした地銀の苦境につけこみ商売しようとする動きもある。一般にはサブプライム問題でLBO(対象企業の資産などを担保にした買収)市場への資金流入が細り、M&A(企業の合併・買収)マーケットは機能停止に近いといわれるが、実際はその逆で、「地銀にターゲットを絞ったM&Aの動きが全米でうごめいている」(国際金融筋)。

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