「狂犬マティス!」と嬉々として紹介していた当時とは違い、両者の間には隙間風が(右はマイク・ペンス副大統領)(C)AFP=時事

 

【ワシントン発】 トランプ政権が発足してから1年半近くが経過しようとしている。発足以降、トランプ政権の外交・安全保障・国防政策を担ってきた閣僚や政府高官を振り返ると、すでに顔ぶれが大幅に変化している。国務長官は現在2人目であり、レックス・ティラーソン氏からマイク・ポンペオ氏へと交代した。また、国家安全保障問題担当の大統領補佐官については、マイケル・フリン氏からH.R.マクマスター氏、そして、現在のジョン・ボルトン氏へとすでに3人目となっている。わずか約1年半でトランプ政権の安全保障チームがいかに大きく変化したのかが理解できる。

広がる溝

 外交・安全保障・国防を担当する閣僚や政府高官のうち、政権発足直後から唯一在職し続けているのはジェイムズ・マティス国防長官のみである。「狂犬(mad dog)」との愛称で知られたマティス氏は、政権発足直後からドナルド・トランプ大統領とは良好な関係を構築し、トランプ大統領自身もマティス長官に対して敬意を払っているように映っていた。だが、そうした関係は変化し、最近、マティス長官とトランプ大統領との間で溝が生じつつあり、トランプ大統領がマティス長官に対して助言をほとんど求めずに重大な政策決定を下すようになってきているとの見方がワシントンでは広がりつつある。

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