日仏「宇宙飛行士」が語る「宇宙探査」の展望と意義(上)

執筆者:フォーサイト編集部2018年10月25日
地球の上空400キロメートルを飛行している国際宇宙ステーション(C)JAXA/NASA

 

 日本人が人類初の民間月旅行客になるなど夢のようだが、米宇宙開発ベンチャー「スペースX」が主催する「2001年 宇宙の旅」ならぬ「2023年 月の旅」は、まさにSFの世界が現実になる夢のような話。2020年代には、米航空宇宙局(NASA)が中心となって計画を進めている「月軌道プラットフォームゲートウェイ」(LOP—G)なる月宇宙ステーションの建設も始まり、月面着陸も予定されている。人類は今、地球から月、火星へという道筋の転換点に立っているのだ。

 その月旅行第1号を「ZOZO」の前澤友作社長とスペースX社が契約がしたと発表された9月18日(日本時間)の翌日、東京で「日仏宇宙協力:宇宙飛行士の視点から」という日仏交流160周年記念シンポジウムが開催された。

 日本とフランスのスペシャリストが集結し、野口聡一宇宙飛行士が「人類が地球だけでなく他の天体でも暮らせることが目標」と語れば、フランスのトマ・ペスケ宇宙飛行士は「私が生きているうちに、人類が火星に到達する日がやってくると思います」と話し、小型衛星の開発で知られる東京大学の中須賀真一教授は「人類は宇宙に出ていくべく宿命づけられている」と断言。熱い議論が交わされた。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。