出国手続きのため、成田空港のチェックインカウンターに並ぶ訪日外国人客ら (C)時事

 

 日本にやってくる外国人による消費、いわゆる「インバウンド消費」が頭打ちになってきた。2018年の訪日外国人数は3119万人と初めて3000万人を突破し、彼らが日本国内で落としたお金も過去最多を更新したが、消費の増加率は前の年に比べて、わずか2%増に留まった。国内消費の低迷が続く中で、インバウンド消費による下支え効果が大きかっただけに、日本経済の先行きに暗雲が漂い始めたと見ることもできそうだ。

「モノ消費」から「コト消費」へ

 観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査」によると、2018年1年間の訪日外国人による消費額は推計4兆5064億円だった。2017年は17.8%の伸びを示していたが、2018年は2.0%の増加だった。最大の消費者である中国からの旅行客による消費が、1兆5370億円と9.3%も落ち込んだことが響いた。中国人消費が減少したのは2012年以降初めてだ。中国大陸の景気の影響を大きく受ける香港からの旅行者の消費額も、3355億円と1.8%減少した。

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