10月19日、国内外から数十万人のブレグジット反対者がロンドンに結集、英国議会を目指してデモ行進を行った。ジョンソン首相を操る側近のブレグジット強硬派ドミニク・カミングス氏を模した人形も(筆者提供、以下同)

 

 イギリスの欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)問題では、期限が近づくたび、これまで離脱が延長されること3回。目下の離脱期限は2020年1月31日になっている。EUとイギリスの間で合意を見た離脱協定案の修正は英議会で承認されず、12月12日の前倒し総選挙によって英国民の審判を仰ぐことになった。

「死刑宣告のようなもの」

 10月末の期限を前に、ボリス・ジョンソン英首相は得意の「ボリス節」を効かせ、「(ブレグジットを)延期するくらいなら、のたれ死んだ方がまし」と言い放った。しかし本当に「のたれ死にかねない」という不安と闘っている、イギリス以外のEU圏内に住む英国人たちはジョンソン首相に向けて憤りの声を上げている。

 「ブレグジットは自分にとって、死刑宣告のようなものだ」

 とまで英紙に語っているのは、英国からスペインに移住し、末期ガンの治療をスペインで受けている英国人年金生活者の1人だ。

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