昨年10月31日のハロウィンで、渋谷に集まった若者たち。これも「コトの消費」だ (C)時事

 

 若者の「消費減退」が日本経済をジワジワと蝕んでいる。

「最近の若者はお金を使わなくなった」

 という声をよく耳にする。

 バブル崩壊後や就職氷河期ならいざ知らず、近年はアベノミクス効果により、少なくとも統計上は“好景気”ということになっている。それでも、「若者の消費」には一向に回復の兆しが見えない。若者は、なぜお金を使わなくなり、買い物をしなくなったのだろうか。

自分の収入では生活が成り立たない

 その理由を探る上で、仕事と収入面での現在の若者像を見ておこう。

 厚生労働省が2018年10月1日現在、9455事業所と1万9889人の若年労働者(満15~34歳)にアンケート調査を行った2018年「若年者雇用実態調査の概況」によると、全労働者に占める若年労働者の割合は27.3%で、内訳は正社員が17.2%、正社員以外の若年労働者が10.2%となっている。

 若年労働者だけで見た場合には、「正社員」が69.0%、「正社員以外の労働者」が30.8%で、3割超が正社員以外であり、依然として非正規雇用率が高いことがわかる。

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