3月11日、デリーのBJP本部で入党の記者会見に臨むシンディア氏(左から2人目)とBJPのJ.P.ナッダ総裁(中央)(BJPのHPより)

 

 世界的に感染が急拡大している新型コロナウイルスは、インドにも深刻な影響を与えはじめた。現地時間3月30日夜時点での国内感染者はのべ1256人、死者も36人に達した。

 感染拡大で半ばパニックに陥っている欧米やアジア各国に比べると、事態はそれほど深刻には見えないが、13億人を超える人々が相当の人口密度と脆弱な衛生環境下で暮らすインドでは、ひとたび新型コロナが大流行すれば、深刻な影響が出ることは必至。

 この点を十分に理解したインド政府は3月以降、全世界を対象とした入国ビザの無効化や国鉄・メトロ(地下鉄)の運行停止、国際線航空機の着陸禁止などの措置を相次ぎ打ち出し、さらには3月25日から21日間の「外出禁止令」を発令。警察や消防、食料品店や薬局などを除くほとんどの官公庁や企業の業務をストップさせるという、断固たる姿勢で感染拡大防止に取り組んでいる。

 こうした新型コロナ騒動の間隙を突く格好で、ナレンドラ・モディ首相率いる中央与党「インド人民党」(BJP)は、中部マドヤプラデシュ州で州政権奪取を成功させた。老舗政党で州議会与党の「国民会議派」(コングレス党)から元連邦下院議員や州議会議員らを引き抜く、電撃的な政変劇だった。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。