支離滅裂な絵空事の「成長実現シナリオ」でさらに悪化する「戦後最悪GDP落ち込み」
2020年8月17日
内閣府が8月17日、2020年4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値を発表した。それによると前期比年率で27.8%減で、3四半期連続、しかも戦後最悪のマイナス成長となった。
にもかかわらず、政府の財政政策が迷走している。
2021年度予算では概算要求基準を設けず、新型コロナウイルス対応など緊急経費を上限なしに要求できる仕組みとした一方で、中長期の経済財政試算では、2025年度の基礎的財政収支(プライマリー・バランス=PB)の黒字化の目標と、債務残高対GDP比の安定的な引き下げ目標を堅持するという、何とも“支離滅裂”な内容である。
楽観的過ぎる“見事なV字回復”
政府は7月21日、2021年度予算編成にあたって、
「引き続き新型コロナへの対応が喫緊の課題であり、来年度における予算をはじめとする対応について現時点で予見することに限界がある」
として、前述の通り概算要求の段階で予算額を決めず、緊要な経費は“上限を設けず”要求できる方針を打ち出した。
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