自民党総裁室の椅子にご満悦な体で座る菅氏だが、改革に向かう道のりは険しい (C)時事

 

 9月14日午後に開かれた自民党総裁選挙で、菅義偉官房長官が圧勝して新総裁に選ばれた。16日にも新首相に指名され、すぐさま組閣、新内閣が発足する。

 総裁に選ばれたあと、壇上で挨拶に立った菅氏はこう述べた。

 「総理大臣として7年8カ月にわたって、日本のリーダーとして国家・国民のために、尽力いただいた安倍総理大臣に心から感謝を申し上げる」

 これに対して、安倍晋三首相も挨拶に立ち、こう返した。

 「7年8カ月、官房長官として国のために、黙々と汗を流してきた菅氏の姿をずっと見てきた。この人なら間違いない。令和時代に最もふさわしい自民党の新総裁ではないか」 

 まさにエールの交換だった。菅新内閣は、名実ともに安倍内閣を引き継ぐということだろう。

誰に知恵を付けられたのか

 安倍首相は、第2次安倍内閣のスタート直後から「アベノミクス」として「3本の矢」を掲げた。(1)大胆な金融緩和、(2)機動的な財政出動、(3)民間投資を喚起する成長戦略――の3本である。

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