「ナゴルノ・カラバフ紛争」に参戦しないロシア「本当の思惑」
2020年10月9日
9月27日、アルメニアとアゼルバイジャンの間で大規模な戦闘が発生し、現在も終息の兆しが見えないまま続いている。
ついに「解凍」された紛争
アルメニアとアゼルバイジャンはいずれも南カフカス(コーカサス)に位置する旧ソ連構成国同士だが、その関係は極めて悪く、両国の間に位置するナゴルノ・カラバフ一帯の領有権を巡って、幾度となく軍事紛争を繰り返してきた。
ソ連時代、この地域はナゴルノ・カラバフ自治州としてアゼルバイジャン・ソヴィエト社会主義共和国の管轄下に置かれていたが、1980年代時点において、人口の8割近くがアルメニア系で占められていたと言われる。
このため、ソ連末期になるとアルメニア・ソヴィエト社会主義共和国では、ナゴルノ・カラバフを移管すべしとする世論が盛り上がり、アルメニア人とアゼルバイジャン人の衝突や虐殺などが発生するようになった。
こうした中で、1991年9月にはナゴルノ・カラバフが「ナゴルノ・カラバフ共和国(NKR)」として独立を宣言。その直後にソ連が崩壊すると、独立したアルメニアとアゼルバイジャンは全面戦争状態に陥り、3万人以上の死者を出したとされる。
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