今年5月、東京都立大の生活支援ボランティアから食料品を受け取る大学生(右)。現在はこのころよりも深刻な状況だ (C)時事

 

 新型コロナウイルスの感染拡大が経済や雇用へ大きな影響を与えていることは、様々なメディアが繰り返し取り上げていることからも今更言うまでもないだろう。企業業績の低迷から賃金の低下を余儀なくされ、失業者も増加を続けている。

 だが、特に大学生(以下、学生)の苦境については、ほとんど取り上げられることはない。

 社会人同様に仕事(アルバイト)を失い、無収入あるいは収入が大幅に減少したことで、学業を継続していくことが困難になっている学生が多く、苦境に立たされているのだ。

政府は支援策を打ち出したが

 新型コロナの感染拡大に対しては、政府も文部科学省を中心に学生に対する奨学金拡充や授業料減免、現金支給等による支援を打ち出した。その主な支援策は別表1のようになっている。

別表1 政府の学生に対する経済支援

 各支援策の内容を簡単に説明しておこう。

「学びの継続」のための「学生支援緊急給付金」は、特に家庭から自立した学生等がアルバイトの減・解雇等で突然の収入減により、学業の継続が困難になった場合を対象に現金の給付を行うもの。給付金額は住民税非課税世帯の学生は20万円、それ以外の学生は10万円となっている。

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