9月22日、国連総会のオンライン演説で宣言したのだが……(C)AFP=時事
 

 筆者の拙い「中国人観」は次のようなものだ。

「時間軸が長く、大局的。核となる最重要事項に関しては揺るぎない信念をもって厳しく当たるが、それ以外の事項に関してはおおらかに対応する」

 筆者のこの見方の根幹は、四十数年前、会社派遣の香港修業生として香港大学で北京語を学習しているときに確立した。

 時は1976年10月、「新中国」建国を領導した毛沢東が逝去したほぼ1カ月後に事件が起こり、毛沢東夫人の江青を始めとする「四人組」が逮捕され、毛沢東に後任を託された華国鋒が就任演説をしたときのことだ。

 当時、香港大学には大阪外国語大学(2007年に大阪大学と統合)から交換教授として相原先生が来られていた。「漢字」の素養をもつ韓国人ジャーナリスト1名と日本人6人からなる我々のクラスでは、相原先生は日本語で教えてくれた。

 相原先生はその日、在香港の中国人の友人たちと一緒に華国鋒の就任演説をテレビ放送で見ていた。だが、毛沢東と同じ湖南省出身の華国鋒の中国語は訛りが強く、相原先生はまったく聞き取れなかった。

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