低コストの洋上風力発電には遠浅の海が必要だ(写真はイメージ)
 

「風車」と聞くと、読者の皆さんは何を思い浮かべるのだろうか?

   ドン・キホーテが巨人と思い込み、果敢に戦いを挑んだ光景?

   あるいは、グリム童話『少女と悪魔と風車小屋』だろうか?

 

   かの時代の風車は、水車と一緒で、製粉するためのものだった。

   現代の風車は、風力発電のためのものだ。

   風の力を回転動力に変え、さらに発電機を通して電力を生み出すものだ。

 

   風車、いや風力発電と聞いて筆者の頭に真っ先に浮かぶのは、イランのアルボルツ山脈の山中で見たものだ。

   まず、筆者の「10年日記」(1996~2005)から該当箇所を書き出してみよう

 

〈1997年9月27日(土)~28日(日) 朝6時、エステグラル・ホテルに集合し、カスピ海ツアーへ。「オイルメン」*でカスピ海地域の石油・ガス開発の進展にかかわるイランのCapacityを探ろう、というもの。今回は当社**が当番で、8月初めにザマニ***に相談し、何とか実現にこぎつけた。「オイルメン」から8人が参加、「NIOC」のプロトコールから2人が同道。Neka、Noshar、Bandar Anzariの3港を一泊二泊で廻るという強行軍。延べ1200~1400㎞くらい走っただろうか。アルボルツ山脈の南側とはまったく異なる緑濃いカスピ海側や、それぞれの港の活動ぶりが見られ、興味深かった。帰路見たマンジーンのダム、風力発電も興味深し〉

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