日本列島一周「中露海軍合同巡視」の深い思惑
2021年11月4日
中国とロシアの海軍艦艇計10隻が10月18日から23日にかけて、津軽海峡を通過後、太平洋を南下して大隅半島と種子島の間の大隅海峡を抜け、日本列島をほぼ一周したことは、中露による前代未聞の対日連携行動であり、総選挙さ中の日本を挑発した。
岸田文雄首相は「不穏な動きだ」と指摘。岸信夫防衛相は10月25日、米海軍のカルロス・デル・トロ長官と防衛省で会談し、懸念を表明。双方はパートナーシップの強化で一致した。磯崎仁彦官房副長官は、
「政府として高い関心を持って注視しており、警戒監視活動に万全を期す」
と述べた。
中露の艦艇は日本領海を侵犯しておらず、通過は国際ルールに沿っているものの、対日圧力が目的であるのは明らかだ。ジョー・バイデン米政権が「中国との戦略的競争」に焦点を当てる中、事実上の準同盟関係にある中露は、「弱い環」である日本への軍事圧力を強めそうだ。
海上自衛隊の優位を認めてはいるが
ロシア側の発表によれば、中露両軍は日本海で海軍合同演習「海上連携2021」を実施した後、演習に参加した太平洋艦隊の大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」など5隻、中国海軍の駆逐艦「南昌」など5隻の計10隻が太平洋で合同パトロールを実施した。ロシア国防省は、
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。