イギリス・ロンドンの王立裁判所に到着した、ドバイのハヤ・ビント・アル・フセイン王女(2019年7月31日)(REUTERS/Toby Melville)

[ロンドン]2021年12月21日火曜、英国高等法院の判事が、ドバイ首長国のムハンマド・ビン・ラーシド・アール=マクトゥーム首長に5億5400万ポンド(7億3300万ドル、約838億円)を超える調停金の支払いを命じた。詳細にわたるこの判決で、ヨルダン王女でもあるハヤ元妃と首長の、子どもたち2人を巡る長年の親権争いに決着がついた。

 ハヤ王女および王女と首長の弁護団の証言、そして判事による判決文によって、中東王族のライフスタイルが事細かに明らかになった。そのいくつかをここに紹介する。

ブラックメール

 警護担当の一人との不倫を暴露すると脅されて、自身の警護チームの4人(氏名非公表)に支払った670万ポンドについて、またこれに子どもたちの銀行口座の資金を充てた理由について、ハヤ王女は公判で質問を受けている。

 「私は恐れ慄いていました」と、支払いに子どもたちの口座の金を使った理由を聞かれ、ハヤ王女は答えた。「とても怖くて、そしてあれほどの金額があったのは、子どもたちのあの口座だけだったのです」。

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