バイオ燃料に使用される穀類(C)REUTERS/Hannibal Hanschke

 

[ロンドン発(ロイター)]ウクライナ戦争が引き起こした食糧危機への対策として、ドイツやイギリスなどG7(先進7カ国)諸国から、ガソリンとディーゼル燃料へのバイオ燃料の混合義務の一時的緩和を検討すべきだとの声が上がっている。これによって世界の穀物と植物油の供給を増やすことが目的だ。イギリス政府関係者は「作物が燃料用ではなく、食料消費用に優先されることを強く望む」と述べた。26日にドイツ南部エルマウで開幕したG7首脳会議でも議題に提出されると見られている。

 石油やガス価格の高騰を受け、農作物を原料とするエネルギーの需要も高まっている。世界最大のバイオ燃料生産国であるアメリカを含むG7メンバーの間で、この提案への支持が広がるかは見通しにくい。ドイツやイギリスが、自国市場でのバイオ燃料に関する義務解除を検討しているかどうかも不明である。しかし、G7諸国は5月に「食糧安全保障のためのグローバル・アライアンス」を立ち上げている。今回のG7で食糧安全保障が重要テーマになることは確実だ。

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