新国王チャールズ3世とカミラ王妃、ウィリアム皇太子(左端) ©AFP=時事

 

 2022年9月8日、イギリスのエリザベス2世女王が崩御した。その治世は70年と214日に及び、イギリス史上最長のものとなった。19日におこなわれた葬儀には、アメリカのジョー・バイデン大統領や日本の天皇皇后両陛下、そしてヨーロッパのすべての王侯など、世界の約200の国と地域から弔問客が駆けつけてきた。荘厳にして華麗なる儀式ののちにウィンザーに葬られた女王は、いずれ「エリザベス大王(Elizabeth the Great)」と呼ばれるだろう。しかし問題は、この偉大なる君主を失った後のイギリス王室である。

「エリザベス大王」の衣鉢

 エリザベス2世自身は、スキャンダルに巻き込まれることもなく、70年にわたりつねに国民の模範となる人物であった。ところが、若くして女王に即位したこととも関係し、子育てはあまりうまくいかずに、4人の子供のうち3人までが離婚に至っている。特に後継の君主となったチャールズ3世が、ダイアナ妃との電撃的な結婚ののち、現在のカミラ妃と不倫関係に陥り、ダイアナによるメディアへの暴露や彼女自身の不倫などで、「泥沼」を経験して離婚に踏み切ったことは、読者もご記憶されていることであろう。

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