昨年12月28日、朝鮮労働党中央委員会総会での金正恩党総書記(中央)(『労働新聞』HPより)

 昨年12月26日、朝鮮労働党中央委員会第8期第6回総会が開会した。

「核の脅威」誇示で経済的な困難などを糊塗

 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は、米韓との敵対関係を明確にし、戦術核の量産や核弾頭の飛躍的増大というインパクトの強い発言で印象付けたが、経済建設を含む国内問題についての言及はあまりなかった。対外関係と核ミサイル開発で困難な国内問題を糊塗しようという意図があったように思われる。

 金党総書記は3日間にわたって報告を行ったが、この総会に関する「報道」はA4用紙で12枚程度のものだった。公表されたのは議事の要約だが、その中で国内問題に割かれた量は非常に少なかった。経済では平壌の5万世帯建設事業など成果を示すことのできる建設部門では具体的な内容があったが、他の産業部門への言及は抽象的なもので終わった。

 朝鮮労働党機関紙『労働新聞』1月7日付では、各党組織に金党総書記の中央委総会報告が配布され、党員たちによる集中学習が始まったと報じた。つまり、党員たちは対外的に発表された党中央委総会の「報道」ではなく、金党総書記の報告などを収録した文書で学習を始めたということだ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。