カーボベルデはアフリカで数少ない中所得国となったが、さらに野心的な取り組みを目指している[ボア・ビスタ島のサル・レイの港で夕暮れ時に水遊びをする子どもたち=2010年7月15日](C)REUTERS/David Lewis

[クアラルンプール発(トムソン・ロイター財団)]膨れ上がる債務、気候変動、自然の喪失という三重苦に直面する多くの途上国にとって、一石三鳥の解決策との期待が高まる金融商品がある。「債務環境スワップ」だ。

 世界銀行が昨年12月に出した報告書「国際債務統計」によると、IDA(国際開発協会)の借入要件を満たす最貧国の年間債務総額は前年比35%増の620億ドル(約8兆4000億円)で、デフォルトのリスクが高まっている。そのうえ各国は、気候変動対策や生物多様性保全に対する投資を増やす必要性にも迫られている。

   こうした問題に対処するため、アフリカ北西沖の島国カーボベルデと旧宗主国のポルトガルは今年1月、「債務と自然」のスワップ(交換)協定に合意した。その数日前には、ザンビアもWWF(世界自然保護基金)から提案された類似の協定を検討していると発表した。

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