2019年6月、平壌を訪問した時の習近平国家主席(右)と金正恩党総書記。「血の同盟」は特別で、堅固だ [KCNA VIA KNS](C)AFP=時事
 

 3月9日付1面トップに掲載されたのは、金正恩(キム・ジョンウン)「国務委員長」からシリアのバッシャール・アル・アサド大統領への祝電であった。シリアの「3月8日革命」60周年に際して送られたものである。前月には故・金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の81回目の誕生日(2月16日)に際してアサドから送られた祝電(2月15日付1面下段掲載)に対する答電が2月24日付1面トップに掲載されたばかりである。

 シリアは、キューバと同様に、いまだ韓国と国交を持たないほど北朝鮮との友好関係を重視しており、『労働新聞』では常連である。軍事面を含む長年の協力関係に加え、世襲による権力継承を実現させた国家としてのシンパシーもあろう。

 一方、3月11日付1面トップは、全国人民代表大会で中国国家主席に再選された習近平に宛てられた金正恩の祝電であった。朝鮮労働党国際部と中国共産党中央対外連絡部(中連部)を窓口とする「党際外交」を重視する立場から、金正恩の肩書は「朝鮮労働党総書記・朝鮮民主主義人民共和国国務委員長」であり、習近平のそれは「中国共産党中央委員会総書記・中華人民共和国主席」と併記されるのが通例である。しかも近年は、習近平に対して「尊敬する」との敬称を付しており、他国指導者とは別格の扱いである。

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