ICBM発射実験を視察する金正恩党総書記(左)と「お嬢さま」(『わが民族同士』HPより)
 

 3月13日から23日まで11日間の予定で米韓合同軍事演習「フリーダム・シールド」が始まった。春季定例演習としては5年ぶりの大規模な野外機動訓練であり、北朝鮮側は強いトーンで何度も不快感を表明してきた。12日付1面トップは、前日に金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記「指導」のもと開催された朝鮮労働党中央軍事委員会拡大会議において、「戦争抑止力をより効果的に行使し、威力的で攻勢的に活用するための重大な実践的措置」について討議されたことを報じており、16日にはICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星砲17」型の発射実験が行われた(金正恩は娘とともに立ち合ったが、文面では「お嬢さま」への言及がなく、写真でのみ娘の同行が確認できる)。

 しかし、この会議で第一に扱われたのは「米国と南朝鮮の戦争挑発策動」への対抗策ではなく、「農村問題の解決」であった。慢性的な食糧不足に陥っているとはいえ、党中央軍事委員会の主たる議題として農村振興が扱われるのは異例である。会議では「組織機構的対策と兵力利用方案」を討議して可決したという。戦争抑止力は核・ミサイルに依存し、軍人は経済建設、特に農業支援に動員するという方針がますます強まっているということだ。

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