大学側が敗訴すると予測するリーガルアナリストは多い[米連邦最高裁前に集まったアファーマティブ・アクションを支持するデモの参加者=2022年10月31日、ワシントンDC](C)REUTERS/Jonathan Ernst

[ロイター]大学が入学志願者の選抜をする際に、人種を考慮に入れるアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)を続けて良いかどうか――米最高裁判所がこの夏、判断を下す。

   その前に、アファーマティブ・アクションとは何か? その歴史と、最高裁判断によって何が起き得るかを説明しておこう。

アファーマティブ・アクションとは?

   高等教育において、アファーマティブ・アクションは通常、入学者選抜方針に関連して語られる。

   志願者の合否決定に際して人種を考慮に入れる大学は、学業成績、試験の点数、課外授業の実績といった様々な要素と合わせて総合的に合否判断をするが、人種もその一部として検討材料にしている。目的は学生の多様性を広げるためだ。大学は、職員雇用や奨学金授与を決める際にも多様性を意識するが、今回、最高裁で争われているのは、入学についてのみである。

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