「ChatGPT」を開発した米企業「オープンAI」のサム・アルトマンCEO(最高経営責任者)が来日、その動向に注目が集まった(C)AFP=時事

 ChatGPTなどの生成系AI(人工知能)が社会の注目を集め、AIが人類を滅ぼすのではないかと物騒な発言も聞かれるようになった。大学などの教育現場でも、学生がChatGPTを使ってレポートを書いてきたらどうするかなど、対応に追われている。

 とはいえ、AIに関する法制度のあり方については、第3次AIブームが一般化した2010年代後半から議論が進み、基本的な考え方は確立している。生成系AIもAIの一種なので、センセーショナルな話題に振り回されず、これまでに形成された考え方を適用していくことが重要であろう。

AIの使い方を考える

 AIに関して最も重要なことは、その使い方を間違わないような仕組みを確立することである。これは、「AIガバナンス」と呼ばれている。「ガバナンス」といえばコーポレートガバナンスを思い起こすビジネスパーソンも多いであろうが、コーポレートガバナンスとは、会社が間違いを起こさず、効率的に活動するための仕組みのことをいう。それと同じように、間違いを起こさず、効果的にAIを使うための仕組みが必要なのである。

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