米国が進める「海藻由来のバイオ燃料」と「クジラ保護」の両立
2023年6月27日
[マサチューセッツ州ケープコッド湾発(ロイター)] アメリカ北東部のリゾート地ケープコッド湾で、ピルグリムと名付けられた10歳のメスのクジラとその子クジラが、研究船「シアウォーター」の周りを泳いで小さな甲殻類を食べている。この親子は、アメリカの東海岸を回遊するタイセイヨウセミクジラの数少ない生き残りだ。2010年に480頭ほどいたタイセイヨウセミクジラは、今では340頭までに減ってしまった。
通りすがりの船にぶつかったり、アメリカ東海岸で盛んなロブスター漁に使われるロープに絡まったりすることが、彼らの脅威になっている。こうした出来事によってクジラが怪我をし、あるいは死に至ったケースは、2017年以来、98件記録されている。さらに現在、タイセイヨウセミクジラが直面しているもう1つの脅威が、米エネルギー省がクリーンエネルギーの1つとして力を入れている、ケルプなどの海藻類を使ったバイオ燃料だ。
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