タニストロフェウスの首は、胴体の3倍もの長さがあった (C)Reuters

[ワシントン発(ロイター)] 約2億4000万年前の浅瀬には、地球上の他の動物とは全く違った体のつくりを持つ、奇妙な海洋爬虫類が住んでいた。「タニストロフェウス」と呼ばれるこの動物は、並外れた長さの首を使って、魚やイカといったエサを待ち伏せて狩っていた。ところが、急激かつ乱暴に命を終えることがあった。強力な捕食者によって、首を取られるのだ。

 タニストロフェウスなど極めて長い首を持つ古代の海洋爬虫類は、専門家によって200年間以上にわたり、首への攻撃が大きな弱点であったと考えられてきた。今回、数十年前にスイスの山モンテ・サン・ジョルジオで発掘された化石で新たに行った調査では、首が狙われたことを確証づける初の根拠が得られた。研究論文は6月20日、学術誌「Current Biology」に掲載された。

 研究チームは、2種のタニストロフェウスの首と頭部の化石を調査し、噛み跡や頭の切断を含む外傷の兆候を確認した。魚やイカを食べていたのは2種のタニストロフェウスのうち、体長6メートルに及ぶ大きな種の方で、調査を行った個体は体長約4メートルだった。小さな方の種は体長約1.5メートルで、歯の特徴がエビのような柔らかい甲殻類を食べていたことを示している。

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