豪雨による河川の氾濫で水没した地下道付近で行われる捜索・救助活動[2023年7月16日、韓国・清州市](C)REUTERS/Kim Hong-ji

[ロンドン発(ロイター)]太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象は、多くの地域の気温上昇につながるだけでなく、太平洋で熱帯低気圧を発生させ、アメリカ大陸やアジア、その他の地域で豪雨や洪水のリスクを高める。米国海洋大気庁(NOAA)は6月、このエルニーニョ現象の発生を宣言した。ちなみに過去3年間は、同じ地域の海面水温が逆に低くなるラニーニャ現象が主流だった。

 前回は2016年にも強いエルニーニョ現象が発生し、世界は猛暑に見舞われた。今回のエルニーニョ現象は気候変動による温暖化と相まって、世界は記録的な高温に見舞われると予想される。その前兆は、すでに海水温に表れている。欧州連合(EU)の気象情報機関「コペルニクス気候変動サービス」によると、5月と6月の海水温は世界的に過去最高を更新した。NOAA気候予測センターの気象学者ミッシェル・ルルー氏は、「前例のない領域に入った」と話している。

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