パリに向かってA16高速道路で抗議デモを行うフランスの農民たち[2024年1月29日、フランス・ボーヴェ](C)REUTERS/Stephanie Lecocq

[パリ発/ロイター]

■なぜ農家は抗議しているのか?

 ほとんどの国の農家は、十分な賃金が支払われておらず、税金や煩瑣な官僚主義的手続き、過剰な環境規制の制約を受けていると主張している。また安価な輸入食品も非難している。

■なぜ輸入が問題なのか?

 ロシアのウクライナに対する侵攻以来、EUによって輸入割当と関税が免除されたウクライナ産農産物が大量に輸入されている。またEUとメルコスール(南米南部共同市場)との間の貿易協定締結に向けた再交渉が、砂糖、穀物、食肉における不公正競争に対する不満を煽っている。域外からの輸入品によって欧州の農産物価格は圧迫され、またEUの農家に課せられた環境基準も満たしていないと憤慨しているのだ。

 欧州委員会は1月31日、ウクライナからの農産物輸入を制限するため、最も影響を受けやすい鶏肉、卵、砂糖について輸入が一定程度以上に増えた場合の輸入制限措置の導入をEU加盟国に提案したが、生産者たちはそれでも輸入量が多すぎると述べている。

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