ミナミシロサイの胚の3Dモデル。国際研究チームが世界で初めてミナミシロサイのメスへの胚移植に成功し、胚は70日間生存した。キタシロサイの保全に向けたブレイクスルーとなった。現存するキタシロサイはケニアに生息する2頭しか残っていない[2024年1月24日](C)REUTERS/Fabrizio Bensch

[ベルリン発/ロイター] シロサイには、キタシロサイとミナミシロサイの2つの亜種がいる。キタシロサイの最後のオスは2018年に死亡し、残っているのは2頭のメスのみだが、いずれも妊娠することことができない。

 もう片方の亜種ミナミシロサイの生息数は比較的多い。そこで、ドイツ政府の支援を受け国際的なチームから構成される保全団体BioRescueが、シロサイの人工授精に着目。最終的にミナミシロサイの代理母に胚移植することを目指して、キタシロサイのメスから採卵し死んだキタシロサイのオスの精子を使って胚を作製している。

 胚移植の実現可能性を検証するため、研究チームは2023年9月24日にケニアのオルペジェタ自然保護区で、ミナミシロサイの胚をミナミシロサイの代理母に移植した。その後2024年1月24日に、BioRescueは胚移植が成功し妊娠が70日間続いていたことを発表。体長6.4 cmのオスの胚へと十分発育していたと確認された。

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