「中東非産油国」の水素ポテンシャルを引き出す欧州:ただし、その関係は真に「互恵的」なのか
2024年2月27日
2023年12月13日、アラブ首相国連邦(UAE)で開催された国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)が幕を閉じた。開催国UAEの他、サウジアラビアやオマーンなどの湾岸産油国は近年、化石燃料とクリーンエネルギーとの双方向的なアクションを進めている。その代表的な取り組みが、再生可能エネルギーから製造する次世代燃料「グリーン水素」プロジェクトである。
しかし、クリーンエネルギー開発を目指すのはUAEやサウジアラビアに代表される湾岸産油国のみではない。日照量が豊富な「サンベルト」と呼ばれる地域の一つである中東地域の優位性を活用し、中東非産油国がグリーン水素プロジェクトへ着手することで、新たなエネルギー生産国として台頭しようとしている。この底流にあるのは、気候変動対応に最も積極的な欧州諸国による支援や政策的措置の影響である。
記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。