過去の小麦価格の推移を振り返ると、いずれもラニーニャ現象の発生時だった(FXQuadro/shutterstock)

 昨年から続いていたエルニーニョ現象が2024年は終了し、今年の夏からはラニーニャ現象発生の可能性が高まっている。エルニーニョ現象とは太平洋の南米沿岸の海面水温が平年よりも高くなる現象のことを指し、逆に海面水温が低下する現象のことをラニーニャ現象と呼ぶ。これは周期的に発生し、世界中の異常気象発生の原因になると言われている。

 エルニーニョ現象が発生した場合、主に赤道近辺から南半球に掛けて高温・少雨となりやすいのに対し、ラニーニャ現象が発生した場合、総じて北半球は猛暑厳冬・多雨となりやすく、南半球は総じて気温が低下しやすくなるという傾向がある。大気の状態や季節によって発生する異常気象は一定しておらず、必ずこの傾向通りの異常気象が発生するわけではないが、過去の例を見ると天候状態が不順になったことは多い。

「海洋ニーニョ指数」と商品価格の相関関係

 一般に、エルニーニョ現象発生時のリスクについて指摘されることは多いが、ラニーニャ現象が発生した場合のリスクについてはその機会が余りない。弊社は主に調達・販売している商品の「価格変動リスクのマネジメント」業務に携わっているため、米海洋大気庁が提供しているエルニーニョ現象・ラニーニャ現象の発生の判断材料となる海面水温のデータである「海洋ニーニョ指数(Oceanic Niño Index)」の2000年以降のデータと主要商品価格の相関関係を調べてみた。

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