【Analysis】ロシアの拒否権発動で対北朝鮮制裁の執行に「暗雲」
2024年4月7日
[ソウル発/ロイター]北朝鮮にとって唯一の軍事同盟国であり、最大の貿易相手国である中国は棄権した。韓国の統一省は、ロシアの拒否は「極めて遺憾」であると評した。パネルは北朝鮮の核兵器と弾道ミサイル開発に対する国連の制裁を過去15年間監視してきた。現在の任期が切れる4月30日までに、任期更新のための新たな決議が行われる可能性は低いと外交関係者たちは見ている。
中国とロシアは制裁破りを否定するが、これまでも国連安保理の新たな制裁決議を妨げ、また制裁の一部を解除することを唱えてきた。緊張を高めているのは西側諸国だというのがその理由だ。今回のロシアによる拒否権行使は、北朝鮮にとって滅多にない外交上の得点であり、対ロ関係深化の証左でもある。米韓当局者と独立系アナリストの分析によれば、北朝鮮はロシアに対してウクライナ攻撃に使う弾道ミサイルと弾薬をかつてない規模で輸出し、代わりに燃料供給を受けている可能性がある。
ロシアと北朝鮮はこの武器供与の存在を認めないものの、軍事関係の強化は隠していない。また、ウラジーミル・プーチン大統領の側近であるセルゲイ・ナルイシキン対外情報庁(SVR)長官が3月25日から27日まで北朝鮮を訪問し、「外部勢力が圧力を増している」ことに対して共闘することを約束した。
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