米陸軍士官学校、通称ウェストポイントへの入学志願者が、このところ急増している。 ウェストポイント広報部が明らかにしたところによると、二〇一三年卒業となる今年の入学志願者数は、千三百二十人の定員に対し、一万一千人以上。前年に比べ一〇%近い増加となった。この志願者数は過去数年でも最高で、同士官学校への関心が一気に高まった〇一年九月の米同時多発テロ事件の直後にほぼ匹敵する水準だという。 同広報部は今年の志願者急増の背景として、オバマ大統領がイラク駐留米軍を一一年末までに完全撤退させる方針であることや、昨今の経済不況による雇用情勢の悪化が影響しているとみている。ウェストポイントでは、授業料や住居・食事代が無料である上、年間数千ドルの奨学金がもらえる。 もっとも、志願者数が急増しているのはウェストポイントだけではなく、空軍士官学校や海軍兵学校でも同様だ。特に海軍兵学校では、今年の志願者数が前年比四〇%も急増したという。米国のメディアはこれら米士官学校の応募者急増について、各校がここ数年、積極的な入学勧誘キャンペーンを実施してきたことが奏功したと伝えている。

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