情報管制の夜に中国で流れた詩
2010年10月21日
劉暁波のノーベル平和賞受賞が決まり、厳しい情報管制が敷かれるなか、中国のネットユーザーのあいだで作者不明の詩が流れました。
管理者に消されても消されても、掲示板から掲示板にコピーされ、消えることはなく、海外の中国人にも広がりました。私も日本にいる中国系の友人から「こんなの知ってる?」と教えられました。なかなか面白かったので読者の皆さんに紹介します。
作者:野夫
今夜の我々に敵はいない。
今夜は寒露。敏感な言葉が敏感な言葉を獲得した。
今夜の海南は暴風雨、錦州と全国は暗闇に包まれた。
無数の人々が流す涙は雨のようだ。
深まる秋に河の水は固まり、星空まで隠された。
今夜の我々はまだ「北」を見つけ出せる。
今夜は北で監獄のオリに氷が張った。
私の兄弟は今も雪に閉じこめられているが、涙は流していない。
今夜の彼に敵はいない。我々にも敵はいない。
だが明日になればすべては見直され、識別される。
今夜は全世界が耳を傾けている。
今夜は誰が地獄で門をたたいているのか。
神を冒とくする者が弱い声で責め続ける。
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