事故死したダイアナ元英皇太子妃の義父となるはずだったエジプト人富豪モハメド・アルファイド氏と英王室の間に険悪な雰囲気が漂っている。

 アルファイド氏は、元皇太子妃と息子のドディがパリで事故死した背後には、二人の結婚を嫌った英王室の意図があったと主張し、エリザベス女王の夫君のフィリップ殿下や英諜報機関の関与を指摘してきた。

 特に最近は別件の民事裁判で出廷する機会に、法廷での証言は名誉毀損に問われないことを利用して事故と王室の関係を示唆したり、自らの傘下にある雑誌で王室批判を繰り広げている。

 王室は法的な対抗措置も検討したが、ダイアナ謀殺説が世間に広がる恐れはないと判断。当面はアルファイド氏がロンドンに所有する王室御用達の高級デパート「ハロッズ」にある女王、チャールズ皇太子、フィリップ殿下の買い物口座の閉鎖を検討していると伝えられる。

 一九九七年の総選挙で労働党に選挙資金を提供したアルファイド氏は、現政権から念願の英国籍を獲得するはずだったがこちらも失敗。ブレア政権との間にも溝が深まっている。

 

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