NTTドコモが社名からNTTの冠を外し、「ドコモ」を正式社名にする可能性が高まってきた。iモードのヒットなどで携帯電話でも同社の優勢がはっきりしてくるにつれ、NTTグループのなかで支配されることに反感が高まっているからだ。郵政省がドコモ分割論を持ち出す前に、先手を打って「NTTグループとの関係性が薄まった」ことをアピールする狙いだと見られている。

 ドコモはかつて、NTT本体からの独立主義者・大星公二会長が社長時代に、「社名からNTTをはずすことも考えている」と口を滑らせてNTTの宮津純一郎社長が猛反発した“事件”があった。だが、今回は、持ち株会社となったNTT本体が「グループの骨格を守るため、社名変更もやむなし」(関係者)と前向きに検討している模様だ。

 宮津氏が「ドコモがいつまでも今の収益を上げ続けられるとは限らない」と突き放した発言をするなど、再編後、高収益を楯にしてますます反発姿勢を強めるドコモを、NTT本体が持て余しているのは衆目の一致するところ。ただドコモに社名変更を許した場合、同様にNTTデータも冠外しを要求してくる可能性があり、NTT本体としては悩ましい限りだろう。

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