リビアの独裁者カダフィ大佐と、ダイアナ元英皇太子妃の義理の父になるはずだったロンドンの億万長者モハメド・アルファイド氏の接近が関係筋の注目を集めている。

 アルファイド氏は、ロンドンの高級百貨店ハロッズを経営、ラスベガスにも進出するなど事業欲はとどまるところを知らないが、最近リビアの首都トリポリを密かに訪問、リビアとの関係構築に乗り出した。

 アルファイド氏によれば、リビア訪問はカダフィ大佐の「私的な招待」によるもので、「国賓並み」の歓待を受けた上に、リビアの社会基盤の整備を請け負う二百五十億ポンドに達する契約と、石油掘削の利権も獲得して帰国した。

 ハロッズはかつて、北アイルランドのカトリック過激派でリビアから武器援助を受けたこともあるIRAのテロの標的となった。だが、アルファイド氏は、こうした過去には表向き一切触れずに、大佐を「神を信ずる立派な人物」と称賛している。

 ダイアナ妃と息子のドディは英当局に暗殺されたと主張するアルファイド氏は、武器取引などを通じ中東諸国に広範な人脈があり、これを利用してリビアに接近したとの見方が有力だ。

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