ロシアの鉄道民営化プロジェクト問題をめぐって、プーチン現大統領とエリツィン前大統領それぞれの後押しを受けた有力閣僚が対立、新旧大統領の“代理戦争”の様相を呈している。 前大統領派の筆頭と目されるのはアクショネンコ鉄道相。エリツィン大統領時代末期に第一副首相を務め、かつて「有力大統領候補」ともうわさされた実力者で、「独占企業体に鉄道事業を任せるべきだ」と強硬に主張している。 これに対し、プーチン大統領の「サンクトペテルブルク人脈」の代表とされるグレフ経済発展貿易相は「競争原理の導入」を唱えて猛反対。モスクワの消息筋によれば、アクショネンコ氏らは政商ベレゾフスキー氏らの資金援助を得て政財界で裏工作を展開する一方、グレフ氏らはプーチン大統領の意向をくんで、他の有力閣僚の支持確保に奔走しているという。 同プロジェクトは巨大な利権が絡むだけに、エリツィン前大統領も「自らの影響力を保つための最後の闘い」(前大統領側近筋)と位置付け、二女のタチアナ元大統領顧問らファミリーを挙げて鉄道相を支えるよう指示しているという。

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