ブッシュ米新大統領が一九七五年、北京で中国人女性と交際しようとガールハントしていた疑惑が、対中外交で「弱み」になる可能性が新政権の一部で憂慮されている。 ブッシュ氏は二十九歳だった七五年夏、駐北京連絡事務所長だった父親を訪ね、北京に六週間滞在し、毎日のように自転車で街を走り回っていたという。ニューヨーク・タイムズ紙のクリストフ元北京特派員らの調査によれば、この時ブッシュ氏は中国人女性にナンパを試みたが、結局は失敗に終わった。 当時の中国は、文革を進めた「四人組」が健在の閉鎖社会で、外国人との交際は厳禁。外国人のガールハントは無謀な行為だった。同紙はブッシュ氏の行状について具体的な状況には言及していないが、外国人の動向を厳重に監視していた当時の中国公安当局はすべてを掌握していた可能性が強い。 ブッシュ氏は昨年九月、演説のマイクが入っているとは知らず、ニューヨーク・タイムズ紙の記者を「大リーグ級のくそ野郎が来ている」と述べて顰蹙を買ったが、それはガールハント疑惑が報じられた直後のこと。いずれ詳細が公表され、新たなスキャンダルとなるかもしれない。

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